物体の変形が比較的小規模で荷重を取り除くと元の形状に復元する弾性域での解析を行います。物体の強度・剛性を評価することが可能です。
物体の固有モード・固有振動数を計算します。用途としては、部品の固有振動数を把握し、設計変更に役立てたり、固有値解析の結果を周波数応答・過渡応答等の応答解析に利用することが考えられます。物性値としては、静解析で定義した剛性に関するファクターに加え、質量密度が必要になります。
構造物が軸方向に圧縮荷重を受け続けた場合、ある限度を超えると横方向へ曲がります。これを座屈といいます。SOL105は弾性体の座屈を扱う線形座屈解析機能です。なお、ベーシック非線形解析機能であるSOL106では、材料非線形・幾何学非線形を考慮した非線形解析が可能となっています。
物体の温度差による熱伝導、物体と流体の熱伝達、および電磁波を介した熱輻射を網羅しています。熱伝導率その他の物性値、初期温度、温度荷重、温度拘束条件などを設定し、計算を行うことが可能です。
ベーシック非線形解析には、以下のような特徴があり、様々な非線形現象を解析することが可能です。
要素ライブラリー
線形解析でよく使用されるソリッド要素(CHEXA、CTETRAなど)およびシェル要素(CQUAD4など)は、材料非線形・大変形解析にも使用可能
過渡応答解析は、構造物への比較的短時間の入力に対する応答を時刻歴で計算します。ベーシック非線形過渡応答解析には以下の様な特徴があります。
加振力に対する構造物の周波数領域における応答を線形の範囲(線形材料・微小変形)で計算します。荷重は力または強制運動(変位、速度、加速度)の関数により定義されます。また、減衰を定義することが可能です。求解方法には、以下の2種類があります。
加振力に対する構造物の時間領域における応答を線形の範囲(線形材料・微小変形)で計算します。荷重は力または強制運動(変位、速度、加速度)の関数により定義されます。また、減衰を定義することが可能です。求解方法には、周波数応答解析と同様、直接法とモーダル法の2種類があります。
ランダム振動とは、地震・航空機や高層建築の圧力変動・ラフな路面からの車体への入力・ロケットやジェットエンジンの騒音による音響加振など、その振動が統計的特性を有する振動を指します。これらは、パワースペクトル密度関数を用いて記述されます。Simcenter Nastranのランダム応答解析は、周波数応答解析の後処理として実行され、応答PSD、自己相関関数の出力を得ることができます。周波数応答解析の部分は、直接法とモーダル法の2種類に対応しています。
ブレーキの鳴きのように構造物に摩擦を伴う現象や減衰を含む振動系の振動モードを知ることが可能です。また、伝達関数を用いてモデル化された系(サーボ機構、および回転系を含む)などの安定性を評価するのにも用いられます。Simcenter Nastranでは、Upper Hessenberg法、複素Lanczos法など4種類の固有値抽出法を備えています。方程式の積分法には直接法とモーダル法の2種類があります。
気流の中の構造モデルを解析する機能です。応力や荷重、空力特性、制御系の設計・解析を、一般的な有限要素法による静的な空力弾性解析で行うことが可能です。
大規模構造をスーパーエレメントと呼ぶ小規模なサブ構造セットに分割するため、大規模かつ複雑な有限要素モデルを解く際に大きな効果を発揮します。
DMAPを使ってアプリケーションを構築し、カスタムモジュールとしてインストールすれば、Simcenter Nastranの機能を拡張することが可能です。例えば構造物の応答についての計算を追加したり、中間データ(外部で生成したシステム・マトリクスなど)をSimcenter Nastranとやり取りしたり、新バージョンを待たずに独自に新しい機能を組み込んだり、標準出力以外の結果を出力させたりすることが可能です。
シャフト・タービン・プロペラなどの回転系について、ジャイロ効果を考慮した解析が可能です。
各種の解析において設計の最適化と感度解析が可能です。設計パラメータ同士が持つ複雑な関係とパラメータ変更の影響を充分把握できるので設計リスクが低減することが可能です。
マルチステップ非線形では、部品の接触などの境界非線形、材料非線形、幾何学非線形(大変形)を含むモデルの解析を行うことができます。
Simcenter Nastran独自ソルバーで接触ができ、熱構造など連成解析に向いている非線形ソルバ―です。
高く評価されているSamcefソルバーを Simcenter Nastranに移植したソルバ―です。
機構的な境界条件が設定できるキネマティック非線形も可能です。