DIPROニュース
今日、製造業の各社において、生産領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する取り組みは急務となっています。DXを支援するITソリューションは多く存在しますが、「どこから手を付けるべきか」「ソリューションをどう自社の業務プロセスに適合させるべきか」といった現場特有の悩みは尽きません。加えて、昨今はAI活用への期待も高まっており、生産DXとの関係性をどのように整理すべきか悩む企業も少なくありません。
本稿では、生産DXを取り巻く状況を俯瞰し、現場の知恵をいかにデジタル変革に結びつけるか、その現実的なアプローチと、DIPROが提供するコンサルティングサービスの役割についてご紹介します。
現在、設計・開発領域では3DデータとEBOM(Engineering BOM)を核としたデータ連携、そしてコンカレントエンジニアリングが一般化しています。また生産領域においても、EBOMからMBOM(Manufacturing BOM)を作成し、工程計画のベースとする運用が広く普及してきました。PLMシステムは、これら製品ライフサイクル全般を統括するプラットフォームとして確固たる地位を築いています。
昨今では、多くのベンダーが提供するPLMシステムにおいて、BOP(Bill Of Process)を取り扱うための機能も充実してきました。しかし、ツールが進化しても、実際の現場への適用には相応のプロセス変革が必要であり、一筋縄ではいきません。次の章では、こうした理想のシステム導入と、現場の実態との間に存在する「壁」について紐解いていきます。
「生産DX」の取り組みの姿は多岐にわたります。現場のペーパーレス化といった身近な改善から、設計・生技・製造をデータで繋ぎ、フロントローディングを加速させる包括的な改革まで、その範囲は広がっています。
DXの進め方についても多様な潮流が見られます。現場主導の迅速な改善にはローコード/ノーコードツールが有効であり、より大規模で複雑なデータ連携においては、NVIDIA社のOmniverseに代表されるような、仮想空間で物理的な挙動を検証する先進技術が、大きな注目を集めています。また、システムと業務のあり方を見直す際には、あらかじめ標準的なプロセスを導入する「Fit to Standard」のアプローチを採用することで、導入コストや運用の複雑さを抑えようとする試みも増えています。
さらに、日本独自の製造業革新コンセプトとして、Industrial Value Chain Initiative(IVI)が提唱する「リーンPLM」の考え方も重要です。これは、設計と製造現場を双方向で繋ぎ、現場の「カイゼン」を設計へ迅速に還元することで、日本のモノづくりの強みをデジタルで最大化しようとする動きです。IVIには弊社を含む国内外のベンダーも参画しており、今後の生産領域のPLMを考えるうえで、検討すべき重要な指針の一つと言えます。
生産DXのトレンドが変化する一方で、生産準備・製造の現場では、いまだ2D図面を参照し、ExcelでMBOMやBOP相当を作成・管理し、紙で運用するケースも珍しくありません。これは決して現場が非効率を甘受しているわけではなく、生き物のように変化し続ける生産環境に柔軟に対応してきた、生産現場ならではの知恵です。
日本の製造業は、設計・生技・製造が密接に連携しながら課題を解決する「擦り合わせ」を強みとして発展してきました。一方で、生産DXが求めるデータ連携やシステム化は、業務の標準化やルール化を前提とします。つまり生産DXとは、これまで競争力の源泉であった「擦り合わせ」を活かしながら、どこまでを標準化するのかを考える取り組みとも言えます。
EBOM-MBOM-BOPを3Dデータと共に繋ぐ3D-BOPの適用は、視覚的な製造工程の検証、製造指示書作成工数の大幅な削減、設計変更への迅速な対応、ひいては生産要件を設計フェーズへフロントローディングできるなど、大きな効果が期待できます。さらに3D-BOPの適用は、フィジカルAIなどの先端技術の前提にもなります。しかし、3D-BOPを本格的に運用しようとすると、以下のような「壁」が立ちはだかります。
1. 部門横断プロジェクトの難しさ
2. 部署間の温度差(受益と負担の不均衡)
3. データ管理のギャップ
4. 熟練ノウハウの形式知化
5. 業務改革への抵抗感
生産DXを大きく推進していくにせよ、小さく始めるにせよ、そこにはプロセス改革が少なからず発生します。そのお手伝いができるのが、DIPROのコンサルティングサービスです。
では、こうした課題にどう向き合えば良いのでしょうか。DIPROのコンサルティングサービスは、生産領域の「現状把握」から「改善策立案」までをお手伝いします。お困りごとをヒアリングした上で提案・見積りしますので、必要とされる範囲のみの対応も可能です。またその後の改善案の具体化作業も、弊社ソリューション担当と連携しながら対応できます。
日々の改善活動に長けたお客様であっても、部署間をまたがる活動や担当領域を超える活動、またITの視点を要する取り組みでは、推進に苦慮されることがあります。こうした場面に中立的な第三者が加わることで、真の課題や必要な改善を可視化することができます。
生技~製造の分野は特に、企業の数だけ業務スタイルがあります。また業務が複雑であるが故に、一般的なコンサルティングファームが提示するような提案はなかなか業務にフィットしない、というお話を伺うことがあります。生産DXは、企業毎にフィットする良いものを構築する“オートクチュール”が理想であると考えます。
DIPROのコンサルティングサービスは、お客様と共に考え、悩み、汗を流して、生産DXへ向けて取り組むべき施策を見出していく「伴走型生産DXアセスメント支援」です。DIPROは、設計から量産に至るまでをデータで繋ぐ「デジタルスレッド」を軸に、お客様の取り組み段階に応じた生産DXを後押しします。
生産DXは、継続的に取り組む長期的な活動です。まずは貴社の「現状」を整理し、何から着手すべきかを一緒に考えるところから始めませんか。お困りごとがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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