自動車製造ライン内のパネルの運搬には吸盤により、吸付けて搬送する場合があります。搬送中の衝撃により、製品が壊れないか(永久ひずみが発生するか)を確認します。
搬送中に製品の動きは再現できているのか?搬送により製品が壊れないか?
この解析は大変形伴う現象で比較的過渡的な現象であるため、陽解法アプローチで実施するような問題だと思われますが計算時間を要します。そこで、製品を吸付けて運動する部分を機構解析で実施します。通常、機構解析の部品はリンクと呼ばれる剛体として扱われるため、ひずみや応力を評価することはできません。そこで、機構解析に弾性体を考慮させる解析を実施して、製品の運動と衝撃による応力を評価することとします。
まず、通常の機構解析を実施して製品運搬時の運動を解きます。
この時点では搬送されるパネルは剛体として扱われています。
続いてパネルに弾性体特性を入れて計算します。
今回の解析ではストッパー接触時の衝撃により、パネルに永久ひずみが残るような応力が発生していることが事前にわかったため、パネルの形状や吸盤の数などを見直すことができました。