プレス工程の中でスクラップが落下した際、金型のガイドに引っ掛かり詰まる場合があります。このようなことが発生すると、生産ラインが止まったり、金型を破損させることにつながります。治具やガイドなどの設計をする際に、事前シミュレーションを実施して検討します。
物体が接触を伴いながら運動する解析は、通常のメッシュ(離散化)を有する有限要素法の陽解法解析でも解けますが、計算時間を要します。このような場合、機構解析と呼ばれる、構造物を剛体として取り扱って、部品間に働く相互作用力と、それにより生じる各部品の位置や角度の関係を運動方程式で解く方法を用います。
機構解析自体の設定は簡単で、計算時間も短時間で終わります。
しかしながら、接触に関するパラメーターは多数あり、これらの値を実機と合わせるには、基礎実験やコリレーションが必要となります。
今回の事例では各種パラメーターを調整した所、端材がガイドに引っかかってしまう現象を再現することができました。これを元に、ガイド形状などを工夫し、引掛りが起きないような構造へ変更することができました。