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受託解析

解析事例

燃料タンクのスロッシング解析(FLOEFD)

概要

自動車発進時や減速時にタンク内燃料のスロッシングが発生します。スロッシングが起きると、タンク内の燃料がタンク壁面を叩いたり、燃料同士が混ざる際に、「チャポチャポ」という音が発生します。「チャポチャポ」という音の発生を流体解析で評価する場合、タンク壁面に生じるの流体圧の変動を確認することがあります。
Simcenter FLOEFDでは、手軽な操作で スロッシングに伴うよるタンク壁面の圧力変動を評価することができます。
なお、同様の解析をSimcenter3Dで実施した例も掲載していますので、併せてご覧ください。

使用モジュール  :FLOEFD for NX(標準のFLOEFD製品)

解析モデル

Simcenter FLOEFDでは、気液界面を考慮する「自由界面」の機能があります。
この機能を用いて、タンク内の燃料と空気の界面をモデル化します。
FLOEFDのメッシュ作成では、リファインセル機能を使用することで、壁面近傍のメッシュを簡単に細かく作成できます。

燃料タンク 燃料の様子
作成したメッシュの外観
 A-A断面 B-B断面 各断面におけるメッシュの様子

解析条件

この事例では、 スイープ加振を想定した条件を与えます。
1秒で15Hz単調増加する正弦波でタンク全体を加振して、壁面にかかる圧力の応答を評価します。

重力が作用する方向 加振点の位置(矢視方向図)解析条件
加振点に入力する加速度

解析結果

液面の動きを動画で示します。加速度の変動により、タンク内の燃料が揺れて、タンク壁面にたたきつけられていることが見受けられます。

燃料と空気の界面の様子
燃料の動きの様子

入力した加速度に対する壁面圧力の関係をグラフに示します。
入力した加速度に対して、壁面圧力が変動しています。

入力加速度と壁面圧力の関係

Simcenter FLOEFDは、 FFT(高速フーリエ変換)を結果処理機能で行うことができます。
タンク壁面に生じた圧力変動について、FFTを行った結果をグラフに示します。
極低い周波数の入力に対して、大きな応答が得られている事がわかります。
この結果から、低い周期で慣性力が発生した場合に、燃料が大きな塊となって移動し、壁面を叩く圧力が発生するということが考えられます。

壁面圧力と周波数の関係

Simcenter FLOEFD活用によるメリット

Simcenter FLOEFDは、CADソフトに統合された熱流体解析ソフトです。
簡便な操作とSmartCellTM テクノロジーにより、高品質なメッシュ作成が可能です。

本事例においても、FLOEFDが固体領域と流体領域の境界付近を自動認識して、品質の良いメッシュを高速に作成しています。
また、豊富な解析機能により、燃料と空気のような気液界面の表現 および FFTのような結果処理も容易に可能です。

Simcenter FLOEFDは、検討サイクルの短縮化・省力化の一助となります。
是非ご活用ください。

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