DIPROニュース

2019

3月号2019.3.11 公開

設備開発におけるMBD(モデルベース開発)
エンジニアリングサービス

DIPROではMBD※1、1D CAE※2エンジニアリングサービスを行っています。MBDにおいては各開発工程の環境構築を、またMBDと1D CAEで共に必要となる制御対象(プラント)モデルの開発をご支援しています。また、MBDを製品開発(電子制御装置開発)だけでなく、設備開発(設備制御開発)にも適用すべくご支援を行っております。
※1 Model Based Development、動的な数式モデルによる電子制御装置開発
※2 動的な数式モデルによる上流設計検討

はじめに

MBDは生産性向上、品質向上や検証作業の前倒しができるなど、従来のC言語のみを用いた開発方法や実機でのみ検証を行う開発方法に比べ、圧倒的に有利なアプローチです。定量的な効果はお客様毎、開発毎に異なりますが、従来の開発方法に比べ開発工数が32%削減されたという報告∗もあります。

MBDではデファクトスタンダードとなっているMathWorks社のMATLAB® ⁄ Simulink®を用いることになります。MATLAB® ⁄ Simulink®は動的な数式モデルを容易に表記(Simulink®はブロックダイアグラムで表記)し、計算できるという特長があります。このMATLAB® ⁄ Simulink®をお客様自身で使いこなしていただく必要がありますが、導入に当たり弊社がお手伝いすることで多くの障壁を取り除くことができるはずです。

∗モデルベース開発ツールを活用した際のコストの効果検証実施報告書、2013年2月、独立行政法人情報処理推進機構

設備開発における「動特性シミュレーション」

MBDは製品開発に適用される例が多いですが、昨今は設備開発に適用するという例が出てきています。設備開発は、一品生産・少量生産が多く、メカ設計と制御設計の連携が取れていない、短納期、実機検証が多い(不具合が多発)、ラダー言語による制御プログラムで動作させる、といった特徴や課題があります。その課題の対策の一つとしてラダー言語による制御プログラムのロジック検証用にiCAD ⁄ IOCを導入されるお客様が増えてきていますが、MBDの適用(動特性シミュレーション)はこれからという状況です。

設備開発においては、多くのお客様はサーボ制御の開発は行わず、市販のサーボモータ・サーボドライバを購入して、その制御パラメータを実機にて合わせ込みを行っています。サーボ制御は煩雑で、多くの制御パラメータの合わせ込みが必要です。高速・高精度制御で懸案となる遅れや振動に対応するため、設備の立ち上げに苦労されることも多いと聞いています。また、想定した動作をさせるためのトルクが不足し、急遽モータ交換等の大幅な設計変更をすることもあると聞いています。これらは、動特性シミュレーションを行うことにより、解決できるものと考えています。

動特性シミュレーションが行われていない理由は二つあります。一つ目の理由は一部のベンダーを除き市販のサーボ制御をSimulink上で再現できないためです。公開されている情報から、似たような特性を持つサーボ制御を構築することは可能ですが、実機との同一性は保証されず実機検証で苦労する可能性があります。弊社では、唯一サーボ制御モデルを提供されているオムロン様と連携し、お客様に動特性シミュレーションをお勧めしています。

もう一つの理由はメカモデル(制御対象モデル ⁄ プラントモデル)の作成が容易ではないためです。一部のCADではSimulink®(正確にはSimscape™ Multibody™)にエクスポートする機能がありますし、iCAD ⁄ IOCからエクスポートする機能を弊社で受託開発したりしていますが、CAD側にこの機能がないと設備の機構を構築するだけで大変な作業量となります。また、設備の機構を構築しただけでは実機との乖離があり、実機検証で苦労する可能性があります。弊社では独自ノウハウに基づくメカモデルの作成をエンジニアリングサービスとして請け負うことができますので、この問題を解決することができます。

設備開発における「PLCアプリケーションの開発効率化」

「PLCアプリケーションの開発効率化」では、MATLAB® ⁄ Simulink®に加えStateflow®を用いることになります。Stateflow®は状態遷移図やフローチャート等を用いてシーケンス制御(状態遷移に基づく順序制御)を記述しますが、仕様書のまま動作するというイメージとなります。Stateflow®は製品開発用MBDでも使用されています。

通常、iCAD ⁄ IOCを用いた動作検証シミュレーションは、ラダー言語による制御プログラムを作成してから実施することなります。この際、仕様に間違いが無ければ良いのですが、仕様に間違いがあった場合は大きな手戻りとなってしまいます。そこで弊社ではStateflow®で作成された「動く仕様書」でiCAD ⁄ IOCを用いた動作検証シミュレーションを行うことをお勧めしています。初めてこの取組を行うお客様に対しStateflow®モデルの作成やiCAD ⁄ IOCとの接続をエンジニアリングサービスとして請け負うことができます。

また、ラダー言語には、プログラミングの容易性、保守の容易性、部品化による再利用性に課題があると言われています。そのため、ラダー言語を用いない制御開発方法もお勧めしています。具体的には、製品開発用MBDでも使用されているMathWorks社のEmbedded CoderによりStateflow®モデルをC言語化して三菱電機様のC言語コントローラを用いたり、Simulink® PLC CoderによりStateflow®モデルをIEC61131-3のST(ストラクチャードテキスト)言語化してオムロン様のNX ⁄ NJコントローラを用いたりします。

おわりに

製品開発を行っているお客様はMBDに積極的に取り組まれていますが、設備開発を行っているお客様にもMBDをお勧めしていきたいと考えております。ご興味がありましたら、是非お声掛け下さい。

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(AEビジネス部 次長SE 苅込)
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