DIPROニュース

2018

1月号2018.1.10 公開

新しい年を迎えて

昨年はお世話になりありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長 山田 龍一

明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年も引き続きお引き立ていただきますようお願い申し上げます。

昨年を振り返ってみると、1月のアメリカのトランプ政権誕生以降、米朝間の対立先鋭化から年末のエルサレムを巡る緊張の高まり、スペインでの地域対立、そして中東ではサウジアラビアとイランの対立の激化等、政治の面では世界的に新たな対立の構造が顕在化し不安定さが強くなったように思えます。これらはまさに進行中の事柄であり、予断を許さない状況は新しい年の行く末に不安な影を落としています。一方で、世界経済はこうした状況にもかかわらず堅調に推移してきました。米国の経済も堅調に推移し、NYダウも秋口から年末にかけ過去最高値を更新し、GDPの伸びや雇用統計等も良い値を示しています。長らく低迷に苦しんできた欧州経済も多くの課題を抱えつつも、回復基調に転じつつあります。そして、近年失速が懸念された中国経済も、種々の問題を指摘されつつも、それなりに堅調に推移してきました。

日本国内についても年初来予想されていた穏やかな景気回復が続き、企業や産業により跛行性はあるものの全体としては収益改善が進み、企業の内部留保も大きく増加したと言われています。こうした中で大手企業の動向を見ると、長年業績低迷に苦しんできた後の復活劇がある一方で、大規模投資の失敗による企業の転落劇がある。 あるいは、製品の品質保証に関する不祥事により個々の企業の信用が傷ついただけでなく、複数の企業で立て続けに発覚した事により、長年築き上げてきた日本企業全体に対する信頼感が揺らぐといった事も目の当たりにしてきました。このように、日本の企業活動を考える上ではまさに様々な出来事が起こった一年でした。

次に、新しい年を考える上で、印象に残る出来事を2つ挙げてみたいと思います。

まず一つ目は、昨年7月、フランスとイギリスの政府が相次いで、2040年にかけてガソリン・ディーゼル車の国内販売を禁止するという方針を表明した事です。その後、インドや中国でも政府によりマイルストーン設定の意向表明が行われました。そして、それに呼応して欧米メーカーからは、EVシフトの計画についてのアナウンスが相次ぎました。近年、自動車の電動化は資源・環境問題を背景に世界各国で取り組まれてきましたが、そのペースは急激なものではなく、大方の見方として今後とも方向性は変わらぬものの、普及のペースは穏やかで現実的なものと予想されていました。 しかし、主要先進国の一角で政府が大胆なマイルストーンを設定した事により、今年以降、電動化に向けた動きは加速の度合いを強めると予想され、これを契機に自動車産業への異業種からの新規参入企業が増加し産業構造の変革も進んでいくと思われます。又、自動車以外に内燃機関を動力とする製品の電動化にも波及する可能性も高まっていくように思われます。

二つ目は、少子高齢化のもたらす大きな問題である、労働人口の減少、労働力不足の顕在化です。国内では近年サービス業や介護等の現場での労働力不足が顕在化していましたが、昨年は宅配便や長距離トラックでの労働力不足が話題となりました。 そして、サービス業では営業時間の短縮や、営業形態の変更、宅配便では配達時間指定や再配達の廃止等、ビジネスモデルの変革を迫られるケースも出てきています。 政府等の統計を見ると、日本の18歳人口は直近のピークである1992年に対し2012年には40%も減少しており、その後は漸減傾向を示しています。いわゆる生産年齢人口(15歳~65歳)は、2010年に比べ2020年には9%、2030年には16%減少、若手・中堅人口(25歳~45歳)もそれぞれ16%、28%も減少する見通しであり、国内の労働力不足は更に厳しさを増していきます。 製造現場でも、この問題は確実に進んできていましたが、リーマンショックや震災、そして超円高環境による低調な国内生産が続く中で、さほど目立つことはありませんでした。しかし、円安回帰や景気回復の流れの中で、品質問題や新規技術への取り組み攻勢が続く中で今年は、製造現場のみならず研究開発の現場でも一気に顕在化しそうにも思えます。

新しい年は、先に挙げた2つの事柄は更に大きな課題となるように思えます。そして、これを乗り越えていく為には、従来の延長線を超えた新規技術開発や大胆な省人化投資、さらにはビジネスモデルの変革を進めていく必要がありますが、その実現方策として、ICTの活用が最も重要な柱の一つである事は明らかだと思います。 こうした中で技術ICTを中心として『モノづくりとITの融合』をキーワードに製造業を支える事を基軸としている当社としては、製造業の皆様と共に、こうした大きな環境変化に対応する新たな開発・生産準備プロセスの革新・構築に向けて精一杯取り組み、貢献していきたいと考えています。

さて、今年は戌(イヌ)年です。調べてみると元々『滅』という字が使われていたが、判り易さを考え『戌』という字が当てられたと書かれています。『滅』は木々が枯れた状態を表し、木が実を落とし、自分自身を守る様子を表すとあります。前年の商売繁盛の『酉』に対し、どちらかというと消極的にもとれます。一方でイヌはお産が軽いと言われており、昔から安産と結びつけられています。今年も種々の変化が加速する年になりそうです。 製造業に於いては新規技術開発や新製品開発を進め、それを新しいビジネスとして社会に出していく事に最大限注力する事が求められます。結果としてそうした新しい技術や製品、いわば多くの子供が、順調に世に生まれ出てくれるという意味で、『安産』の年になってくれればと思っています。

重ねまして、本年も従来同様お引き立てのほど、よろしくお願いいたします。

(代表取締役 社長 山田 龍一)
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